『魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話』を読んだ
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『魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話』という本を読みました。
あまりにも良かったので軽くメモをまとめます。
読んだきっかけ
僕の趣味の一つとして、本屋さんをブラブラしていろんな本の装丁を見るというのがあります。
その時に見つけた一冊で、その装丁のあまりの美しさに即買いしてしまった。

カバーの文字が光に反射してキラキラ光るのがとても良い。
また、写真には写ってないですが、いわゆる「小口絵」という本の側面に描かれている絵もとても良くて、めっちゃしっかり作られている書籍です。中の挿絵もとてもかっこいい。
そんなわけで装丁の良さだけで選んだ本でした。
内容
著者はサイエンスジャーナリストのルル・ミラーという方で、デイビッド・スター・ジョーダンという魚類学者の自伝や彼にまつわる膨大な記録を巡って、彼の人生を追いかけていく内容です。
僕は最初、この本の表紙とタイトルから、ファンタジー小説なのかと思って読み始めました。しかしすぐにそれが間違っていたことに気づいたものの、デイビッドの人生はまさに小説よりも希なりという感じで、彼の生物分類に懸ける思いの強さを感じました。
けれどさらに読み進めていくと、どんどんと内容の様相が変わっていき、とても重い話になっていきます。
ネタバレになるのでこれ以上は中身については話しませんが、読み進める手が止まりませんでした。とても考えさせられる内容で気分が落ち込むこともあるのですが、最終章のルル・ミラーさんのまとめはとても暖かく、ここまで読んで本当に良かったと思えるものでした。
感想
内容に触れずに感想を言うのは難しいのですが、今後の人生に影響を与えてくれるような書籍です。
自分が本当は世界について何もわかっていないことを常に頭の片隅において、自分の人生について「常に修正の可能性を受け入れながら」道を選んでいきたいな、という気持ちになりました。
そして「どんな存在にも意味がある」ということを忘れずにいたい。