『「美しい」ってなんだろう? 美術のすすめ』を読んだ
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先日、インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。という本を読みまして、そこで著者の菅付雅信さんが美大生に薦めている「クリエイションを学ぶための100冊」というのを紹介していました。
この書籍にはとても感銘を受けまして、せっかくなので書かれていることを素直に実行してみようということで、まずは1冊目を読んでみることにしました。
ということでそれがこちらの書籍です。
「美しい」ってなんだろう? 美術のすすめ
内容
美術家の森村泰昌さんが美術史に残る様々な名作を紹介しながら、美しいってどういうことなのかとか、美術の見方だとかについての考えを展開していく話です。
内容としては中高生向けなのでとても読みやすいんだけど、大人が読んでも感じるものがあったしたくさんのことを学べたなって思います。とても教育的な本です。
本の中で多くの画家や写真家や俳優の作品が紹介されつつも、森村さん自身の作品も掲載されていてそれ自体がとてもおもしろいので、読みやすさも相まって読む手が止まりませんでした。
この作品の美しさはどういうところから感じるのか、ではこちらの作品はさっきのとは真逆の世界観だけどどうしてこれも美しいと感じるのか、など、いろいろな美しいの感じ方について、その原理について一般論から森村さんの解釈まで色んな角度から解説しています。
この本はタイトルにある「美しい」ってのはこうであるって定義を定めるようなものではなくて、それぞれの人が自分の中の美しいと感じるものがなんなのかっていうのを深堀って、美しいと感じる心を育てる大切さについて話しているんだなと解釈しました。
感想
僕もたまに美術館や期間限定の現代アートの展示だったりに足を運ぶことがあるんだけど、正直なところを言うと心から満足できた試しがないと言うか、何を思えば良いのかわからないという気持ちに毎回なっていた。
それが嫌でその作品の情報を深堀って調べたりもするんだけど、歴史や経緯はわかって確かにすごいものなんだなという知識を得ても、感動に至ることがあまりなくて、僕は美術を見る感性がないのかな、と思ったりしていた。
この本を読み終わって思ったことは、もちろん情報を入れた上で見ることも間違いではないんだろうけど、まずフラットな目で見て、なんでこうなってるんだろう?という不思議を見つけて自分の心で考えるっていう工程を経ることによって育まれるものがあるんだろうと感じた。
何かを美しいと感じる感性、育てていきたい。
今改めていろんな美術を見てみたいって思えたし、それどころか街に飛び出して、大人になるにつれていつの間にか目を向けもしなくなったものを見て不思議を発見したいって気持ちが湧いているし、すごく影響を受けてしまった。
森村さんすごい。